AI従業員コラム

Column

人を増やすほど利益が減る組織拡大の落とし穴

2026-06-12 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

人を増やしても利益が増えないのは、コミュニケーション・管理・書類という3つのコストが人数に比例して膨らむ構造があるから。売上は伸びても手元に残るお金は増えない。この問題を解決するには、人がやらなくていい業務を先にAIへ逃がして「人数を増やさずに手を空ける」発想の転換が有効。AI従業員は問い合わせ整理・返信下書き・書類前準備などを担い、判断だけを人が行う構造を作る。

人を増やしたのに、なぜ手元に残らないのか

人を増やして会社を大きくしようとしたのに、なぜか利益が増えない。忙しくなったのに、むしろお金は減った気がする。

少なくとも僕はそうでした。数字だけ見れば売上は伸びているのに、手元に残るお金が増えていない。その矛盾に気づいたのは、正直かなり遅かったです。

結論を先に言います。人を増やすと、売上より先にコストが増えます。 そして増えるコストは、給与だけではない。ここが見落とされやすい本質です。

僕が組織拡大して学んだこと

合同会社9Zを一人で動かしている、須賀龍平と申します。1996年生まれ、30歳です。

僕にも、同じ失敗をした時期があります。

事業を伸ばしたくて、業務委託の方を少しずつ増やしていきました。人手が増えれば、その分やれることが増える。売上だって伸びるはずだと思っていました。

結果は逆でした。

人が増えるごとに「この件どうなってますか」という連絡が増えていく。誰が何をどこまで進めているか把握するだけで、半日が終わる日もある。人が増えれば契約書・請求書・発注確認の書類仕事も比例して増えていく。

気づけば、売上の数字は確かに動いているのに、利益は増えていない。むしろ自分の時間と精神力は、以前より消耗していました。

今は、業務委託は1社だけに絞り、人間がやるべき仕事以外はAIに任せる体制にしました。それで売上は維持したまま、利益率は改善できたと感じています。手元のお金だけではなく、頭の中の余裕も戻ってきました。

この経験が、AI従業員という事業を作る理由になっています。

人を増やすと増える3つのコスト

コスト1:コミュニケーションコスト

2人いれば連絡のやり取りは1本。3人になれば3本、4人なら6本——人が1人増えるたびに、やり取りの経路は加速度的に増えます。

「これ確認しておいてください」「あの件どうなりましたか」「明日の予定は大丈夫ですか」。一つひとつは数分の話でも、これが一日に何十回と積み重なる。経営者の時間は、この連絡対応で消えていきます。

僕の場合、人数が増えた時期は、一日の半分近くが「進んでいるかどうかを確認する連絡」で埋まっていました。売上をつくる仕事ではなく、確認する仕事に一番時間を使っていた。人が増えれば増えるほど、「自分が管理するための仕事」が増えていく。これがコミュニケーションコストの本質です。

コスト2:管理コスト

誰が何をいつまでにやるか。進捗はどこまで来ているか。誰かがミスをしたとき、どこで間違えたかを確認する時間。新しく入った人に業務の流れを説明する時間。

この管理コストは、業務そのものとはまったく別に発生します。売上を生まない作業に、経営者の時間が取られていく。

しかも、人が増えるほど「管理の質」を保つのが難しくなる。ミスが増え、確認のループが増え、それをカバーするためにまた人を入れたくなる。この悪循環に入ると、抜け出すのはかなり難しい。

コスト3:書類コスト

業務委託の方が1人増えれば、契約書が増えます。請求書が増えます。支払い処理が増えます。何か問題が起きたときの確認・対応も増えます。

従業員であれば社会保険・雇用保険・給与計算・年末調整が加わります。会社が大きくなるほど、税理士との確認事項も増えていく。

これらは全部、売上を生まない仕事です。でも絶対にやらなければいけない。「バックオフィス業務」と呼ばれるこの種の仕事が、経営者の時間を静かに、しかし確実に奪っていきます。

「人を増やす=成長」は本当か

この3つのコストを合わせると、何が起きるか。

売上が1.3倍に伸びたとして、コミュニケーション・管理・書類の3つのコストが合計で1.5倍になったとしたら、利益は減ります。手元に残るお金は、人を増やす前より少なくなる。

これが「人を増やしたのに、なぜか利益が増えない」の正体です。

一人・少人数でやっているときは見えにくい。でも規模を大きくしようとした瞬間に、このコスト構造が一気に可視化されます。

「人を増やす=成長」という前提は、この構造を無視しているときだけ成り立ちます。

では、どうすればいいのか

答えは一つではありませんが、僕が出した答えは「人がやらなくていい仕事を、先にAIへ逃がす」です。

人を増やしてやれることを増やすのではなく、今の人数のまま「人手が必要な仕事の量」を減らす。そのために、AIが代われる仕事を棚卸しして、一つずつ移していく。

具体的に言えば、問い合わせの整理・返信文の下書き・書類の前準備・未対応案件の洗い出しといった仕事は、その多くをAIに担わせることができます。判断は人が行い、その手前の「準備」と「整理」をAIが進める構造です。

これを徹底することで、人を増やさなくても、今の人数でさばける仕事の量が増えていきます。

AI従業員でできること

AI従業員のサービス紹介でも詳しく説明していますが、主に次のような仕事を担います。

問い合わせ・事務の前処理

メール・LINEで届いた問い合わせを、緊急度・内容・不足情報の観点で整理して、判断しやすい形にして渡します。担当者が「開いて確認して返信文を書く」という一連の作業を、「確認して送るだけ」の状態まで縮めます。

書類の下準備

見積書・請求書・発注書の前準備、領収書写真からの情報読み取り、未請求・未対応の案件の洗い出しなど。書類まわりの「最初の一手」をAIが担います。

営業・顧客フォロー

見込み客の情報を整理して、会社ごとに変えた営業メールの下書きを作成します。既存客へのアフター連絡・定期案内の文面づくりも同様です。

発信・採用まわり

施工事例や口コミの記事下書き、求人原稿の改善、応募者への一次返信の下書きなど、「やった方がいいとわかっているが手が回らない」種類の仕事に対応します。

いずれも、「下書きと整理をAIが出して、判断と送信は人が行う」が基本の設計です。AIが全部やるわけではなく、人の手間を「手前から削る」構造です。

導入の流れ

まず無料のオンライン診断(15〜30分)から始めます。今の業務の流れ・問い合わせの入り方・書類のやり方を聞いて、AIに任せられそうな仕事を一緒に整理します。その場で「AI化できる業務リスト」が手元に残る形を目指しています。

前向きに検討いただける場合は、業務の詳細を確認して御社専用の設計に移ります。使い慣れたLINE・メール・Excelをそのまま起点に構築するので、新しいシステムの操作を覚える必要はありません。構築期間は業務内容によって異なりますが、小さな1業務であれば2〜3日で動き始めることもあります。

導入後は月1回のミーティングで効果と改善点を確認しながら、担当範囲を少しずつ広げていきます。

まとめ

人を増やすと利益が増えないのは、給与以外の3つのコスト——コミュニケーション・管理・書類——が人数に比例して膨らむ構造があるからです。

「もっと人手があれば」と思ったとき、本当に必要なのは人を増やすことではなく、人がやらなくていい仕事を先に減らすことです。少なくとも僕には、その順番が正解でした。

僕自身、この切り替えで売上を落とさずに利益と時間の余裕を取り戻しました。その経験をもとに作ったのがAI従業員です。

人を増やす前に、まず「自分が毎回やっている手前の作業」を一つ手放してみる。その最初の一歩として、15〜30分の無料診断を使ってみてください。御社の業務のどこをAIに任せられるか、一緒に整理するだけで構いません。

診断後、AI化しやすいと判断した1業務は、簡易版のAI従業員として無料で作ります。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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