AI従業員コラム

Column

見積書の作成をAIで効率化する進め方

2026-06-19 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

見積書の作成に時間がかかるのは、毎回ゼロから項目を拾い出し、過去案件を探して金額を当て込む「下ごしらえ」が重いから。金額の判断は専門知識がいるが、項目を並べる・過去の似た案件を引く・書式に整えるところは作業で、ここをAIに任せれば見積書づくりは軽くなる。AIが項目と過去案件を参照したたたき台を作り、金額と最終判断は人が持つ分担にすれば、失注の一因になりやすい「最初の一通までの時間」を縮めやすくなる。今使っているExcel・メールのまま2〜14日で小さく始められる。一人社長・須賀龍平が自社のAI活用経験から解説。

見積書の作成は、金額の判断を人に残したままAIで効率化できる

見積書の作成に時間がかかる根本は、計算そのものより「毎回ゼロから項目を拾い出し、過去の似た案件を探して当て込む」という下ごしらえが重いことにあります。ここはAIに任せ、人は金額と最終判断に集中できる形にできます。

見積もりは早く出すほど受注につながるのに、項目を並べて過去案件を参照して書式に整える作業が、現場や打ち合わせの合間や夜に溜まる。出すのが一日遅れた一社から順に候補から外れていく——これは見積もりの「中身」ではなく「準備の遅さ」で機会を失っている状態です。

なぜ見積書の作成は時間がかかるのか

見積書に時間がかかるのは、判断の前にある「探して・並べて・整える」作業が毎回発生するからです。

金額を決めるには経験と専門知識がいりますが、その手前には「今回の案件に必要な項目を洗い出す」「過去の似た案件を探して相場を確認する」「自社の書式に整える」という、判断ではない作業が必ずあります。案件ごとに項目が少しずつ違い、過去のファイルを探すだけで時間が溶ける。さらに問い合わせ段階で必要な情報(数量・仕様・現地の状況)が揃っていないと、ヒアリングのやり取りが先に発生します。この積み重ねが、見積書づくりを重くしています。業種ごとの見積もりの詰まりは塗装・防水業の見積もり前ヒアリングをAIででも具体的に書いています。

AIに下ごしらえさせて、金額の判断は人が持つ

ここで効くのは、見積もりの担当者を増やすのではなく、作成の「最初の一手」を仕組みに持たせる発想です。

項目の洗い出し、過去案件の参照、書式への整形は、判断ではなく作業です。AI従業員は、問い合わせから必要な情報を整理し、過去の類似案件を参照して項目を並べた見積もりのたたき台を、御社の書式で用意しておきます。人は中身を見て「金額を入れて確認するだけ」「仕様を直して送るだけ」の状態にします。金額の決定、仕様の判断、最終確認は必ず人が持ちます。判断は人、準備はAI、という分担です。

これは見積書に限らず、請求書や書類づくりにも同じ発想が効きます。書類作業をまとめて軽くする考え方は解体・建設業の書類作業をAIに任せるでも扱っています。

AI従業員に任せられる業務の例

金額・仕様の判断、見積書の最終確認、送信は必ず人が行います。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

始め方(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEで連絡いただければ、今の見積もり作成の流れと、どこで時間がかかっているかを一緒に整理します。その場で「AIに任せられそうな下ごしらえリスト」が手元に残る形を目指しています。

STEP 2 業務確認・設計: 任せたい範囲と、御社の見積書の書式・言い回しを組み込みます。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): 今お使いのExcel・メールのまま、裏側にAIを組み込みます。実際の案件で小さく動かして調整します。

STEP 4 本格稼働: 日常業務の一部としてAIが動き始めます。月1回の改善ミーティングで、項目や書式を実際の業務に合わせて調整します。

よくある質問

金額までAIが決めてしまうのですか?

いいえ。金額の決定は必ず人が行います。AIが担うのは、項目を並べ、過去の似た案件を参照し、御社の書式に整えたたたき台を作るところまでです。金額と仕様の最終判断は人が持ちます。

自社の見積書フォーマットのまま使えますか?

使えます。御社のExcelや見積書の書式・言い回しを組み込んだうえで、その書式に沿って下書きを整える形が基本です。新しいフォーマットに乗り換える前提にはしません。

過去の見積もりデータがバラバラでも大丈夫ですか?

問題ありません。過去のファイルやメールに残っている内容を参照して、たたき台の材料にします。きれいに整理されていなくても、まずは今ある形のまま始められます。

見積もりが遅れて失注するのを本当に減らせますか?

下ごしらえが先に用意される分、人が金額を入れて確認するだけの状態から始められるので、最初の一通までの時間を縮めやすくなります。出す速さの改善が狙いで、金額や受注そのものを保証するものではありません。

パソコンが苦手でも使えますか?

使えます。今使っているメールやExcelをそのまま入口にして、裏側でAIが動く形が基本です。新しいアプリを覚える前提にはしません。

まとめ

見積書の作成に時間がかかるのは、見積もりの腕の問題ではなく「金額の判断の手前にある、探して・並べて・整える作業が毎回発生する」という構造から来ています。担当者を増やさなくても、この下ごしらえを仕組みに持たせられるかが、見積もりを速く出せるかの分かれ目です。

僕は足立区保木間で合同会社9Zを一人で経営し、自分の会社の書類の下ごしらえをAIに任せて回してきました。以前、業務委託で人を増やして組織として会社を広げようとしたら、連絡や確認、書類のやり取りが一気に増えて、かえって利益が圧迫されました。今は業務委託を1社に絞り、人がやるべき判断以外をAIに任せたことで、売上を落とさずに利益率を改善できています。「金額は人が決める、準備はAIに渡す」という分担は、業種が違っても見積書づくりで同じように効くと考えています。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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