AI従業員コラム

Column

鍼灸院の予約と問い合わせをAIで軽くする

2026-08-13 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

鍼灸院は、体の状態の見立てや施術の判断を施術者に残したまま、予約の一次受けやキャンセル・変更の連絡、問い合わせの整理だけをAIに預ければ、人を増やさず軽くできる。電話が取りづらいのは、施術に入っている時間はどうしても手が離せず、その最中に新規の予約希望や当日キャンセルの連絡が重なるからだ。折り返す頃には、初めての人ほどつながりやすい別の院で予約を決めている。AI従業員が、希望日時・初診か再診か・連絡先の聞き取りと、予約枠への振り分けの下ごしらえや変更連絡の受け止めを進める考え方を、自社の受付をAIで回す一人社長・須賀龍平が解説する。施術内容や体の状態にかかわる判断は、これまで通り施術者が行う分担が前提となる。

鍼灸院の予約と問い合わせは、人を増やさず軽くできる

鍼灸院に届く連絡は、体の状態の見立てや施術に関わる判断を施術者に残したまま、予約の一次受けと問い合わせの整理だけをAIに預ければ、人を増やさずに軽くできます。電話に出られないのは、施術の最中はどうしても手が離せず、受付にいつも人を置けるとは限らないからです。

ここでのAI従業員は、施術で手がふさがっている間に鳴った連絡を、いったん受け止めて要点を控えておく受付役です。「今週どこか空いているか」「今日の予約を変えたい」といった連絡を受け、希望の日時・初めてか二回目以降か・連絡先を聞き取るところを引き取らせます。どんな施術をするか、体の状態をどう見るかは、これまで通り施術者が担い、AIはその手前の予約と連絡の受け止めに徹します。

なぜ鍼灸院は、施術中の予約電話を取りこぼすのか

取りこぼしやすいのは、施術に入っている時間はまるごと手がふさがるうえ、その時間に限って予約やキャンセルの連絡が重なるからです。

鍼灸の施術は、一人ひとりに時間をかけて向き合う仕事です。鍼を置いているあいだ席を外すわけにはいかず、施術に入れば電話には出られません。ところが予約の希望や当日のキャンセルは、その施術中の時間に限って鳴ります。手が空いてから折り返す頃には、初めて連絡してきた人ほど、すぐ予約の取れた別の院に決めています。予約が埋まっているかどうかを尋ねる連絡、都合が変わって日時を動かしたいという連絡、初めての来院で何を持っていけばよいかという問い合わせ——受付に人を張り付けられない小さな院ほど、これらが施術の合間にどっと溜まります。一人や少人数で施術も受付も抱えると、目の前の施術に集中するほど、連絡への折り返しが後回しになっていきます。

施術中は手が離せず予約電話に出られない構造は接骨院・整骨院の予約受付をAIで軽くすると重なり、来院前のやり取りを丁寧に整える点は整体・リラクゼーションサロンの予約対応をAIで軽くするにも通じます。

体の状態と施術の判断は施術者、予約の受けはAI

分ける軸は、体の状態の見立てや施術に関わる判断を施術者に残し、その手前にある予約と問い合わせの受付だけをAIに切り出すことです。

どんな施術をするか、体の状態をどう見るか、どのくらいの間隔で来てもらうか——ここは施術者にしか判断できない領分で、AIには渡しません。体の不調に関わる込み入った相談も、AIに答えさせず「来院時に施術者がうかがいます」と受けて人へ回します。AIが担うのは、予約希望の受け止め、希望日時・初診か再診か・連絡先の聞き取り、空いている枠への振り分けの下ごしらえ、変更やキャンセルの受け付けまで。予約を確定する操作も、体に関わる質問への返答も、人が持つ前提で組みます。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

AI従業員に任せられる業務の例

施術に関わる判断、体の状態への返答、予約の確定、返信の送信は必ず施術者や院の人が行います。体の不調に関わる相談をAIに答えさせない線引きは、最初から組み込む前提です。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの予約・問い合わせの流れと、施術中にどこで連絡を取りこぼしているかを一緒に洗い出します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: どの連絡をAIに渡すか、聞き取り項目(希望日時・初診か再診か・連絡先など)を組み込みます。体の状態に関わる相談を施術者へ回す分け方も、はっきり決めます。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): いまお使いの電話・LINE・予約フォームのまま、裏側にAIを組み込みます。小さく動かし、予約やキャンセルの流れに合うか確かめ、ズレがあれば直します。

STEP 4 本格稼働: ふだんの受付の一部として、AIが動き出します。診療の時間帯や受け付けのやり方を見直したときには、聞き取り項目と案内の言葉もそこにそろえ直します。

よくある質問

体の不調の相談まで、AIが答えてしまいませんか?

答えません。体の状態をどう見るか、どんな施術をするかは、施術者にしか判断できない部分です。体に関わる相談は「来院時に施術者がうかがいます」と受けて人へ回し、AIが受け持つのは予約や来院案内といった手前の受け止めまでです。

施術に入っていて出られない時間の予約電話も、拾えますか?

拾えます。自動で受け取れるのはLINEやフォーム、留守番電話に残った伝言なので、鍼を置いて手を離せない時間でも、用件だけは取りこぼさず溜まります。ひと段落してから目を通して折り返せばよく、残った伝言はAIが文字に直してまとめておきます。

空いた枠の確定まで、AIが勝手に決めてしまうのですか?

決めません。希望日時や初診か再診かを聞き取り、空いている候補をそろえるところまでがAIの役割で、枠の確定は予約表を見る人が行います。重なりが心配な場合は、確定を必ず人が挟む形にします。

当日のキャンセルや日時変更の連絡も拾えますか?

拾えます。「今日の予約を動かしたい」という連絡を受け、対象の予約と振り替えたい日時を控えて、予約表に反映しやすい形に並べます。実際に振り替えるかどうかは、枠を握る人が決めます。

施術者ひとりで受付も兼ねている院でも入れられますか?

入れられます。施術も受付も一人で抱える院ほど、施術中に来た予約やキャンセルの連絡を、あとから取りこぼさず拾える仕組みが効きます。

まとめ

鍼灸院では、施術に入っている時間はまるごと手がふさがります。だから予約の希望も、当日のキャンセルも、その施術中の時間に限って鳴る。折り返す頃には、初めての人ほどつながりやすい別の院で予約を決めています。どんな施術をするか、体の状態をどう見るかは、施術者にしか判断できない仕事です。AIが引き取れるのは、その連絡を受け止め、希望日時や初診か再診か、連絡先を聞き取り、予約枠への振り分けや来院案内を下ごしらえするところまで。体に関わる相談は、AIに答えさせず施術者へ回します。

合同会社9Zは、僕が足立区保木間でひとりきりで営む小さな会社です。鍼を扱ったことも、患者さんの体に触れたこともありません。それでも、目の前の一人に向き合っているあいだ、鳴った電話に出られずに終わるもどかしさは、日々の受付で身近に感じています。事業を大きくしようと外注を増やした頃、ふくらんでいったのは戦力よりも、誰がどの件をどこまで進めたかを確かめ合う連絡でした。仕事の中身よりその周辺のやり取りに時間を吸われ、売上が動いても利益は薄いままです。いまは人の手を借りる範囲をぐっと狭め、答えの決まりきった受け付けだけを機械に任せています。やり取りに溶けていた時間が空き、細っていた利益がふたたび積み上がるようになりました。一人ひとりに時間をかけて向き合う鍼灸院だからこそ、施術中にこぼれた予約の一本を、その日のうちに拾い戻せるかどうかが、その人が次もこの院を選ぶかを分けていきます。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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