AI従業員コラム

Column

和菓子店の注文・予約対応をAIで軽くする

2026-08-17 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

和菓子店は、いつ・いくつ作れるか・掛け紙にどう書くか・いくらで受けるかという判断を店主に残したまま、注文の一次受けと必要事項の聞き取りだけをAIに預ければ、人を増やさず軽くできる。法要やお盆・お彼岸、季節の節目に注文が固まり、その最中こそ厨房で餡を炊き上生菓子を仕上げていて電話に出られない。しかも進物が多く、用途・渡す日・個数・掛け紙の表書きや名入れといった間違えられない項目を聞き取る手間がかかる。日持ちの短い生菓子は受け渡し日がずれると商品にならず、聞ききれず折り返しが遅れると別の店へ流れる。AI従業員が、用途・希望日・個数・掛け紙の希望といった聞き取りと、店主が仕込みに動きやすい形へ整える受付メモの下ごしらえを、電話の裏やLINEで進める考え方を、自社の受付をAIで回す一人社長・須賀龍平が解説する。

和菓子店の注文・予約対応は、人を増やさず軽くできる

和菓子店に入る注文は、いつ・いくつ作れるか・掛け紙にどう書くか・いくらで受けるかという判断を店主に残したまま、注文の一次受けと必要事項の聞き取りだけをAIに預ければ、人を増やさずに軽くできます。電話にすぐ出られないのは手際の問題ではなく、餡を炊いたり上生菓子を仕上げたりしている最中は、火と手元から目を離せないからです。

ここでAI従業員が受け持つのは、店主が厨房で菓子を作り込んでいる間や、接客で手が離せない間に届いた注文を、取り逃さず要点だけ書きとめておくことです。「法事の菓子折りを」「彼岸の生菓子を予約したい」といった声から、用途・渡す日・個数・掛け紙の表書きや名入れの希望を聞き取る部分を任せ、その日までにいくつ作れるか、掛け紙の文言をどう仕上げるか、いくらで受けるかは、これまで通り店主が握ります。

なぜ和菓子店は、仕込みや接客の最中に注文を取りこぼすのか

取りこぼしが起きるのは、注文が法要や季節の節目に固まるのに、その繁忙の中心こそ厨房と店先に手を取られているからです。

和菓子は、餡を炊き、生地を蒸し、一つずつ形を作る手作業に時間がかかります。その間は火加減と手元から離れられず、電話が鳴っても取れない。店主一人か家族で切り盛りする店では、作るのも売るのも注文を受けるのも同じ人が兼ねています。そこへ「四十九日の引き菓子を」「お盆に親戚へ配る分を」「桃の節句の生菓子を予約したい」という注文が、仕込みや接客の真っ最中に重なって来ます。

しかも和菓子の注文、とりわけ進物は、聞くことが多いうえに間違えられません。何のための菓子か——法要か、内祝いか、季節の挨拶か。渡すのはいつか、何個いるか、生菓子か干菓子か、掛け紙や表書きはどうするか、名入れの文字はどう書くか。ここを聞き取らないと仕込みの数も段取りも決まりませんが、菓子を作っている手は止められない。折り返しても留守で何往復もするうちに、法要の日は動かせないので、迷っていた相手は間に合う別の店へ頼んでしまいます。手が塞がる時間に注文が重なる構図は洋菓子店とも近く、供物や進物という点では生花の注文とも重なり、ケーキ店・洋菓子店の予約・注文対応をAIで軽くする花屋・生花店の注文と問い合わせをAIで軽くするでも似た話を書いています。

個数と掛け紙・金額の判断は店主、注文の受けと聞き取りはAI

線を引く場所はこうです。その日までにいくつ作れるか、掛け紙の文言をどう仕上げるか、いくらで受けるか——ここは店主が持ち、その一つ手前にある注文の受付と聞き取りだけをAIへ回します。

この日までにこの数を作れるか、日持ちを考えて受け渡しをいつにするか、表書きをどう仕上げるか、いくらで受けるか——こうした見極めは、仕込みの段取りと菓子を分かっている店主にしか決められません。AIへ預けるのは、注文や問い合わせを受け止め、用途・渡す日・個数・掛け紙の希望を聞き取り、店主が仕込みに動きやすい受付メモと折り返しの下地を作るところまで。作れる数も、文言の最終確認も、金額も、人が持つ前提で組みます。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

AI従業員に任せられる業務の例

その日までにいくつ作れるか、掛け紙の文言、いくらで受けるか、そして返信を送るかは、必ず店主が握ります。手作業と日持ちの都合で受けられる数が決まる仕事だからこそ、その手前の受付だけをAIに任せる前提で組みます。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの注文受付・予約・問い合わせの流れと、仕込みや接客で手が塞がる時間にどこで連絡を取りこぼしているかを一緒に洗い出します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: どの連絡をAIに渡すか、聞き取り項目(用途・渡す日・個数・生菓子か干菓子か・掛け紙の希望など)を組み込みます。作れる数や掛け紙の文言、金額など、人が握る範囲もはっきり分けます。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): いまお使いの電話・LINE・フォームのまま、裏側にAIを組み込みます。電話は人か留守番電話が受けて、その伝言や、LINE・フォームに届いた注文をAIが整理する形から小さく動かし、実際の注文の流れに合うか確かめて、ズレがあれば直します。

STEP 4 本格稼働: ふだんの受付の一部として、AIが動き出します。季節の生菓子や進物の品ぞろえが変わったら、それに合わせて聞き取る項目や案内の言い回しを折々に手直しします。

よくある質問

作れる個数や掛け紙の文言まで、AIが決めてしまいませんか?

決めません。その日までにいくつ作れるか、日持ちを考えて受け渡しをいつにするか、掛け紙の表書きや名入れをどう仕上げるか、いくらで受けるかは店主が決めます。AIが受け持つのは、届いた注文から用途・渡す日・個数・掛け紙の希望を書き取り、店主が仕込みに動きやすい形にそろえるところまで。作れる数と文言の最終確認は、そのあと人が行います。

お客さんは高齢の方が多く、電話や来店が中心です。使えますか?

使えます。電話に直接AIが出ることはしません。電話はこれまで通り人が取り、出られないときは留守番電話が受けて、その伝言をAIが要点にまとめます。AIがその場で受け止めるのは、LINEやメール、フォームに届いた注文です。いつもの電話番号や店頭での受け付けは残したまま、仕込みで手が離せない時間に鳴った一本を後から拾い直せるようにする、という使い方になります。

法要や進物は間違えられません。AIに任せて大丈夫ですか?

間違えてはいけない部分こそ、人が最終確認します。AIが担うのは、用途や渡す日、掛け紙の希望を先に聞き取って抜けなく並べておくところまでで、表書きや名入れの文字をどう仕上げるかは店主が確かめます。聞くべきことを一つずつ残しておくことで、繁忙期の聞き漏らしを減らしやすくなります。

お盆やお彼岸に注文が集中して、対応しきれません。

繁忙期こそ一次受けの効きが大きくなります。注文が固まって届いても、AIが用途や希望日、個数を先に聞き取って並べておくので、手を止めずに仕込みへ集中できます。ピークに電話が鳴りっぱなしで一本取り逃す、という事態を減らせます。

一人や家族でやっている小さな店でも入れられますか?

入れられます。作るのも売るのも受けるのも一人か家族で兼ねている店ほど、仕込みや接客の最中に注文が重なります。仕込みで家族総出になる店ほど、こぼれた注文をあとから並べ直しておける仕組みが、取りこぼしを減らします。

まとめ

和菓子店は、法要や季節の節目に注文が固まり、その繁忙の中心で餡を炊き上生菓子を仕上げていて手が塞がります。その日までにいくつ作れるか、掛け紙の文言をどう仕上げるか、いくらで受けるかは、仕込みと菓子を分かっている店主の判断です。AIに託せるのは、その注文を受け止めて用途・渡す日・個数・掛け紙の希望を書き取り、店主が仕込みに動きやすい受付メモをこしらえるところまでです。

合同会社9Zは、足立区保木間で僕がひとりで切り盛りしている会社です。餡を炊いたことも、上生菓子の細工をしたこともありません。ただ、先日も知人が「四十九日に間に合う菓子折りを頼みたいのに、店が仕込みで出られないらしくて電話がつながらない」とこぼしていて、その一本の重さを思いました。渡す日が動かせない注文ほど、つながらなければ次の店へ移ります。僕自身も、会社を大きくしたくて外注を増やしていた頃、仕事のかさより先に段取りの手間が積み上がりました。仕上がりを待つ相手と、目の前の作業に追われる自分——そのあいだで連絡が行き違い、間に合ったはずの注文をいくつも取りこぼしました。いまは外の手を一社ぶんに絞り、手放していい受け付けだけを仕組みに回しています。確かめ合いに取られていた時間を取り戻せたぶん、同じ売上でも、手元に残るお金が目に見えて増えました。手を止められない時間に鳴る一本を拾えるかどうかが、次の季節もこの店に頼もうと思ってもらえるかにつながっていきます。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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