AI従業員コラム

Column

AIに任せて顧客情報は漏れないのか

2026-06-22 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

AI従業員に事務を任せると顧客情報が漏れるのではという不安の正体は、「何を渡すか」を決めないまま全部を渡すと感じる漠然とした怖さにある。実際は、渡す情報の範囲は人が選べて、判断と最終確認も人が握る。今使っているLINEやメールの中で動かし、必要な業務に必要な情報だけを渡す設計にすれば、紙やExcelで個人が抱える状態より管理は見えやすくなる。足立区の一人社長・須賀龍平が、自社で事務をAIに任せてきた経験から、情報の扱いで気をつける線引きを解説。無料診断から、AI化しやすい1業務の無料AI従業員化まで。

AIに任せても、渡す情報を選べば顧客情報は守れる

「AIに任せると顧客情報が漏れるのでは」という不安への答えは、渡す情報を選び、判断と最終確認を人が握る設計にすれば守れる、です。怖いのは「全部をAIに丸ごと預ける」イメージで、実際の運用はそうではありません。必要な業務に、必要な情報だけを渡す形にできます。

不安そのものは正しい感覚です。お客さんの連絡先や案件の中身は、会社の信用そのものです。だからこそ「AIだから危ない/安全」と大づかみに考えるのではなく、「どの情報を、どこまで渡して、誰が最後を確認するか」という具体で考えるのが現実的です。

なぜ「AIに任せると情報が漏れる」と感じるのか

漠然とした怖さの正体は、「何を渡すか」を決めないまま、全部を渡す前提で想像してしまうことにあります。

たとえば「AIに事務を任せる」と聞くと、顧客名簿を丸ごとどこかにアップロードして、知らないところで使われる——というイメージが浮かびがちです。でも実際の業務は、問い合わせの整理、返信の下書き、請求の下ごしらえといった単位で動きます。その一つひとつに必要な情報は限られていて、名簿を丸ごと渡さないと回らない、ということはほとんどありません。

むしろ見落とされがちなのは、今の状態のリスクです。連絡先や案件情報が、個人のスマホのメモ、紙の伝票、誰かのExcelに散らばっていて、「誰が何を持っているか」が把握できていない——という会社は珍しくありません。人を増やして事務を分担した時に、かえって情報の置き場所が増えて見えなくなる、という詰まり方もあります。この「人を増やすほど管理が複雑になる」感覚は人を増やしても利益が増えないのはなぜかとも通じます。

渡す情報は「選べる」——必要な業務に必要な分だけ

情報を守る一番の基本は、「渡す範囲を人が決める」ことです。これはAIを使うかどうか以前の、業務設計の話です。

たとえば一次返信の下書きを任せるなら、必要なのは「届いた問い合わせの内容」と「御社のいつもの言い回し」です。過去の全顧客の取引履歴まで渡す必要はありません。請求の下ごしらえを任せるなら、その案件の項目だけで足ります。業務ごとに「これは渡す、これは渡さない」を最初に線引きしておけば、漠然とした「全部預ける怖さ」は、具体的な「この業務にこの情報」という管理可能な話に変わります。事務の作業部分だけを切り出して任せる考え方はAI事務代行とは?外注・派遣との違いを経営者目線でも参考になります。

判断と最終確認を人が握るから、情報も野放しにならない

情報の扱いで安全側に倒すコツは、品質の話と同じで「判断は人・準備はAI」の線引きです。

AIに任せるのは、整理や下書きといった準備の作業です。お客さんに何を送るか、どの情報をどう使うかの判断と、送信前の最終確認は人が持ちます。人が最後に必ず目を通す前提なら、意図しない情報がそのまま外に出ていく経路を、人のチェックで止められます。確認を飛ばして自動で送ってしまう使い方を避けることが、情報の面でもそのまま安全につながります。任せる範囲と人が握る範囲の分け方はAIに任せると品質は落ちないのかで詳しく書いています。

それから、今お使いのLINEやメールをそのまま入口にして、その範囲の中で動かすのも大事な考え方です。新しく見慣れないアプリにデータを移し替えるのではなく、すでに使っている道具の中で、必要な業務だけを軽くする。慣れた場所で動かすほうが、「どこに何があるか」を見失いにくくなります。

情報の扱いで最初に決めておく線引き

この線引きを最初に決めることが、情報を守りながらAIを使う前提になります。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

よくある質問

顧客名簿を全部アップロードしないと使えませんか?

いいえ。業務ごとに必要な情報だけを渡す形にできます。一次返信なら届いた問い合わせの内容、請求ならその案件の項目、というように、名簿を丸ごと預ける前提では設計しません。

AIに渡した情報が、勝手に他で使われませんか?

何を渡すかは人が選び、判断と送信は人が握る前提です。渡す範囲を業務ごとに区切っておけば、想定外の使われ方は起きにくくなります。気になる点は導入前に一緒に確認します。

今使っているLINEやメールのままで情報は大丈夫ですか?

すでにお使いの道具をそのまま入口にして、その範囲で動かすのが基本です。新しいアプリにデータを移し替えるより、慣れた場所のほうが、どこに何があるかを見失いにくくなります。

紙やExcelで管理している今のほうが安全では?

一概には言えません。紙や個人のExcelは「誰が何を持っているか」が見えにくく、抱え込みや紛失が起きやすい面があります。どの業務にどの情報を使うかを決めて見える形にしたほうが、管理はしやすくなることもあります。

小さな会社でも情報の扱いはきちんとできますか?

できます。むしろ少人数のほうが、渡す情報の範囲を決めて、最後を社長が確認する、というシンプルな線引きを守りやすい構造です。

まとめ

「AIに任せると顧客情報が漏れる」という不安は、「何を渡すか」を決めないまま全部を預ける前提で想像してしまうところから来ています。実際は、渡す情報の範囲を業務ごとに選べて、判断と最終確認は人が握る。今使っているLINEやメールの範囲で動かせば、紙や個人のメモに散らばった状態よりも、どこに何があるかは見えやすくなります。

僕は足立区で合同会社9Zを一人で経営し、自分の会社の問い合わせ対応や書類の下ごしらえをAIに任せて回してきました。以前、業務委託で人を増やして会社を広げようとした時は、連絡先や案件情報の置き場所が人の数だけ増えて、誰が何を持っているか分からなくなる、という別の怖さがありました。今は人がやるべき判断と確認を自分が握り、その手前の準備だけをAIに任せています。渡す情報を業務ごとに区切って、最後は自分が確認する——この線を守ることが、情報を野放しにしないための前提だと考えています。

御社の事務のどの業務なら、どこまで情報を渡してAIに任せられるか、15〜30分の無料診断で、AI化しやすい1業務まで見据えて一緒に確認してみませんか。

診断後、AI化しやすいと判断した1業務は、簡易版のAI従業員として無料で作ります。

無料で1業務をAI従業員化する(LINE)

須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

御社の業務は、どこからAIに任せられるか。

15〜30分の無料診断で、御社のどの業務がAIに任せられるかを整理します。診断後、AI化しやすい1業務は簡易版として無料でAI従業員化します。

無料で1業務をAI従業員化する