AI従業員コラム

Column

開業直後の会社こそ、事務はAIに任せていい

2026-09-03 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

開業直後の会社でのAIの使い方とは、値付けや契約、サービスの中身といった判断は自分に残したまま、問い合わせの一次受けや繰り返しの質問への案内、日程調整の下ごしらえを仕組みに任せて、人を雇う前の時期を少人数で回すこと。開業したては売上が安定する前から事務と問い合わせが発生するのに、人を雇う体力はまだない。ここで「まず事務員を」と考えると、売上の波に人件費が先に乗る。だから、最初から人を増やす前提で組まず、判断の要らない事務をAIに寄せるほうが向いている。値付けや契約は必ず自分が担う。人を増やして伸び悩んだ末にAIへ寄せた経験から、これから始める人向けに順番の考え方を、須賀龍平が書いた。

開業直後の会社は、AIで事務を回せるのか

回せます。ただし値付けや契約、サービスの中身をどうするかといった判断は自分に残したまま、問い合わせの一次受けや、料金や営業時間のような繰り返しの質問への案内、日程調整の下ごしらえまでに限られます。人を雇うかどうかを決める前の時期を、判断の要らない事務を仕組みに預けて少人数で乗り切る、と捉えると入りやすいはずです。

開業したての会社には、独特の苦しさがあります。売上はまだ安定していないのに、事務と問い合わせは初日から発生する。ホームページやSNSを出せば問い合わせが来て、取引が始まれば見積もりや請求が要る。それを全部、一人か少人数でこなしながら、本業も回す。かといって、まだ売上が読めないうちに事務員を雇えば、月々の人件費が先に固定費として乗ってきます。ここで多くの人が「人手が足りないから、まず人を」と考える。その順番を、一度立ち止まって見直してほしい、というのがこの記事の主題です。

なぜ開業直後こそ、人を増やす前に考えるのか

開業直後に人を増やす前提で組むと、売上の波が平らになる前に人件費が固定費として乗り、いちばん体力のない時期に利益を圧迫するからです。だから、判断の要らない事務は、人ではなく仕組みに先に寄せておくほうが向いています。

これは、僕自身がつまずいた順番でもあります。会社を大きくしようとして、業務委託で人を増やし、組織として広げようとした。ところが人が増えるほど、頼むための説明や、やり取り、書類の確認が先に膨らみました。売上が伸びても、そのぶんコミュニケーションのコストと事務が増えて、思ったほど利益は残らない。増やしたのは捌ける量ではなく、段取りの手間のほうでした。人を増やして利益がやせていく構造そのものは、人を増やすほど利益が減る組織拡大の落とし穴にも書きました。だからこそ、最初の設計で「人を増やす前提」から一度離れる意味があります。

「売上が小さいうちはAIは早い」とは限らない

売上がまだ小さいことは、AIを見送る理由にはなりません。むしろ、判断の要らない事務に自分の時間を取られていること自体が、いちばん小さいうちにこそ効いてくる損失だからです。

開業直後は、経営者の時間がそのまま会社の資源です。その時間を、料金や営業時間の問い合わせに何度も答えたり、日程を調整したりする作業に削られると、本来なら値付けや商品づくり、目の前のお客さんに使えたはずの時間が消えていく。規模が小さいからAIは大げさだ、と考えるより、小さいからこそ経営者の手を空けておきたい、と考えるほうが実態に合います。とはいえ、いきなり全部を任せる必要はありません。まずは一つの業務から小さく始めていい、という考え方はAI導入は小さく1業務から始めていいに整理しています。開業直後は特に、いちばん時間を食っている一業務から手をつけるのが向いています。

AIに任せられること、自分が判断すること

任せられるのは、問い合わせの一次受けや、決まった質問への案内、日程調整の下ごしらえといった、手順の決まった部分です。値付けや契約、サービスの中身、そしてお客さんへの最終的な返答は、経営者が握ったままにします。

具体的には、届いた問い合わせを文字にそろえ、用件・希望日時・連絡先を決まった形で聞き取り、料金や営業時間のような繰り返しの質問には案内文を返す。日程の候補を並べ、確認やリマインドのたたき台を用意する。そこまでがAIの範囲で、実際に受けるかどうか、いくらでどう請けるか、どう応じるかは人が決めます。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介にまとめています。

AI従業員に任せられる業務の例

受けるかどうかの判断、値付け、契約、そしてお客さんへの実際の連絡は、必ず自分の手に残します。開業直後は信用がまだ育っていない時期なので、判断とお客さんへの返答は人が握る形が前提です。

導入の流れ

まずは、いちばん時間を食っている一業務から小さく始めるのが向いています。開業直後は、それが問い合わせの一次受けや、同じ質問への繰り返しの対応であることがほとんどです。

進め方は、いま使っているスマホやパソコン、ホームページの問い合わせフォームやSNSはそのままに、そこへ届く連絡をAIが文字に起こして一覧へ集めるところから試します。新しいシステムを一から入れる必要はありません。2〜14日を目安に、どの質問が繰り返し来るか、どこで手が止まるかを見ながら、聞き取りと案内の型を整えていきます。

よくある質問

開業したばかりで、まだ問い合わせも少ないです。それでも意味がありますか。

あります。問い合わせが少ないうちに一次受けの型を作っておくと、増えてきたときに慌てずに済みます。少ないからこそ、一件ずつを自分の時間で丁寧に受けられるうちに、繰り返しの質問への案内や聞き取りの形を整えておくのが向いています。

人を雇うのと、AIに任せるのは、どちらが先がいいですか。

判断の要らない事務は、先に仕組みへ寄せておくほうが向いています。人を雇うと、売上が安定する前から人件費が固定費として乗ります。まずAIで一次受けや繰り返しの対応を軽くし、人にしかできない仕事が明らかに増えてきた段階で採用を考える、という順番だと、いちばん体力のない時期の負担を抑えられます。

機械や設定が苦手です。開業準備で手一杯なのに、回せますか。

難しい設定は要りません。いま使っているスマホやパソコン、フォームやSNSのまま、届いた連絡が一覧にそろう形にするところから始めます。あなたがすることは、集まった連絡に目を通し、返す前に確かめるだけです。2〜14日を目安に小さく試しながら、慣れる範囲で進められます。

値付けや契約まで、AIに決められてしまわないか心配です。

決めません。AIが担うのは、問い合わせを聞き取って並べ、決まった質問に案内を返すところまでです。いくらで請けるか、その依頼を受けるか、どんな条件で契約するかは、あなたが決めます。とくに開業直後は判断の一つひとつが会社の土台になるので、判断とお客さんへの返答は人が握る設計にします。

まだ屋号だけの個人での開業です。会社でなくても使えますか。

使えます。法人か個人かにかかわらず、問い合わせの一次受けや繰り返しの質問への案内という仕組みの考え方は変わりません。個人での開業から事務を軽くする最初の一歩は個人事業主がAIで事務を軽くする最初の一歩にもまとめています。どの業務から始めるかは、15〜30分の無料診断で一緒に決められます。

まとめ

開業直後の会社が苦しいのは、売上が安定する前から事務と問い合わせが発生するのに、人を雇う体力はまだない、という時期のねじれから来ています。ここで人を増やす前提で組むと、売上の波が平らになる前に人件費が乗り、いちばん体力のない時期に利益を圧迫します。判断の要らない事務は、人ではなく仕組みに先に寄せておく。問い合わせの一次受けや繰り返しの質問への案内、日程調整の下ごしらえをAIに預け、値付けや契約には自分の時間を使う。その順番が、立ち上げ期の会社には向いています。

僕自身、足立区で合同会社9Zを一人で営んでいます。かつては会社を大きくしようと業務委託で人を増やし、組織として広げようとしました。けれど人が増えるほど説明とやり取りと書類が膨らみ、売上が伸びても利益は先に削られていった。今は委託を一社に絞り、人がやるべきこと以外の事務をAIに任せて、売上はそのままに利益の残り方を変えられました。この順番は、これから始める会社ほど早く効きます。人を増やす前提で組む前に、どの事務なら仕組みに預けられるか、15〜30分の無料診断で一緒に見てみませんか。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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