AI従業員コラム

Column

豆腐店の受注と配達連絡をAIで軽くする

2026-08-13 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

豆腐店・豆腐製造小売は、いくつ仕込むか・品質をどう見るかの判断を人に残したまま、飲食店への卸受注や個人宅への配達連絡の一次受けだけをAIに預ければ、人を増やさず軽くできる。電話が取りづらいのは、早朝の製造で手が離せないうえ、店頭の接客や配達に出ている時間に、飲食店の「今日あと二丁足したい」や宅配先の「明日は要らない」といった連絡が重なるからだ。日持ちが短く作り置きのきかない商いだけに、受注の締めと数量変更を取りこぼすと、その日の仕込みごと狂う。AI従業員が、品目・数量・納品日・届け先の聞き取りと、受注メモや配達リストの下ごしらえを電話の裏やLINEで進める考え方を、自社の受付をAIで回す一人社長・須賀龍平が解説する。

豆腐店の受注と配達連絡は、人を増やさず軽くできる

豆腐店にかかってくる連絡は、いくつ仕込むか・原料や仕上がりをどう見るかという判断を人に残したまま、飲食店への卸受注と個人宅への配達連絡の一次受けだけをAIに預ければ、人を増やさずに軽くできます。電話に出そびれるのは横着だからではなく、早朝の釜と型の前で手が離せず、日中は店頭と配達に体を取られているからです。

この場面でAI従業員が受け持つのは、仕込みや配達で手がふさがっているあいだに入った連絡を、ひとまず預かって用件を書き留めておくことです。「今日あと油揚げを二十枚」「明日の配達は止めてほしい」といった声を受け、品目・数量・納品日・届け先を聞き取るところを引き取らせ、その数を今日の仕込みに間に合わせられるか・どう回すかは、これまで通り釜の前に立つ人が握ります。

なぜ豆腐店は、仕込みや配達の最中に電話を取りこぼすのか

取りこぼしやすいのは、作れる時間が朝に偏っているうえ、その時間に限って当日注文や配達変更が重なるからです。

豆腐は日持ちがせず、作り置きがきかないので、一日の仕事は夜明け前の仕込みに集中します。大豆を炊き、型に流し、水にさらす——どれも途中で手を止めれば仕上がりが狂う作業です。そのさなかに、取引先の飲食店から「今日あと二丁」「揚げを追加で」という電話が入る。締めの時間を過ぎた注文をどこまで受けるかで、その日の仕込み量が変わります。日中は日中で、店頭で客に付いている時間や、個人宅を一軒ずつ回っている時間に、「明日は帰省するので要らない」「来週から二丁に増やして」といった配達の変更が届く。手が空いてから折り返す頃には、飲食店は仕入れを決めてしまっているか、こちらの仕込み数を組み直す余地が残っていません。作れる量と時間が決まっている商いだけに、受注の締めと配達の増減を一本取りこぼすだけで、その日の段取りごと崩れます。

日々の定期配達を切らさず回す点は米穀店の定期配達と御用聞きをAIで軽くすると重なり、飲食店への業務用の受注を抱える点は食品卸の受注対応をAIで軽くする方法にも通じます。

仕込む数と品質の判断は人、受注と配達連絡の受けはAI

分ける軸は、いくつ作るか・間に合うか・仕上がりをどう見るかを人に残し、その手前にある受注と配達連絡の受付だけをAIに切り出すことです。

締めを過ぎた追加をどこまで飲むか、明日の仕込みに何丁のせるか、大豆の出来や気温で仕上がりをどう調整するか——ここは釜の前に立つ人にしか決められません。AIに渡すのは、卸と宅配の一次連絡の受け止め、品目・数量・納品日・届け先の聞き取り、受注メモと配達リストの下ごしらえまで。受けるかどうかの返事も、仕込み数の確定も、人が持つ前提で組みます。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

AI従業員に任せられる業務の例

受けるかどうかの判断、仕込み数の確定、品質の見極め、返信の送信は必ず人が行います。締めを過ぎた注文を安請け合いすれば、その日の仕込みごと狂うので、飲むかどうかの線引きは人に残す設計が前提です。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの受注・配達連絡の流れと、仕込みや配達で手が塞がる時間にどこで電話を取りこぼしているかを一緒に洗い出します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: どの連絡をAIに渡すか、聞き取り項目(品目・数量・納品日・届け先など)を組み込みます。仕込み数の確定や締めの判断など、人が握る範囲もはっきり分けます。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): いまお使いの電話・LINE・FAXのまま、裏側にAIを組み込みます。小さく動かし、飲食店の当日注文や宅配の変更の流れに合うか確かめ、ズレがあれば直します。

STEP 4 本格稼働: ふだんの受付の一部として、AIが動き出します。卸先や宅配先の顔ぶれが入れ替わったら、それに合わせて聞き取る項目や案内の言い回しを折々に手直しします。

よくある質問

今日あと何丁作れるか、までAIが答えてしまいませんか?

答えません。締めを過ぎた追加を受けられるか、明日の仕込みに何丁のせるかは、釜の前に立つ人が決める部分です。AIの仕事は、連絡を受けて品目・数量・納品時間を整理し、人が判断できる形に並べるところまで。受けるかどうかは、最後に店の人が返します。

早朝の仕込みで手が離せない時間の電話も受けられますか?

受けられます。自動で拾えるのはLINEやフォーム、留守番電話に残った伝言で、釜や型に張りついている時間でも用件だけは取りこぼさず溜まっていきます。溜まった用件は手の空いた合間に折り返せば間に合い、電話そのものはこれまで通り人が出るか留守番電話が受けます。残った声だけを、AIが文字に直して順に並べておきます。

個人宅の配達の増減や停止まで任せられますか?

一次受けまでは任せられます。届け先と適用する日を聞き取り、配達リストに反映しやすい形にそろえます。実際に配達を組み直すかどうかは、ルートと仕込み量を知る人が決めます。

FAXと電話ばかりで、パソコンはあまり触れないのですが大丈夫ですか。

大丈夫です。いま使っているFAXや電話、LINEをそのまま窓口にして、その裏側でAIが動く組み方が基本になります。新しい操作をゼロから覚える必要はありません。届いた伝言はAIが文字に直して、一件ずつ並べておきます。

夫婦や少人数で切り盛りしている店でも入れられますか?

入れられます。仕込みと店頭と配達を数人で抱える店ほど、手が塞がる間に来た当日注文や配達変更を、あとから取りこぼさず拾える仕組みが効きます。

まとめ

豆腐店の一日は、作れる時間が夜明け前に偏っているぶん、受注と配達の連絡がそこからずれて届きます。締めを過ぎた飲食店の追加、明日の宅配を止めてほしいという電話——そのどれもが、釜の前で手を止められない時間や、店頭と配達に出ている時間に重なります。今日あと何丁作れるか、明日の仕込みに何をのせるかは、原料と仕上がりを見ている人にしか決められません。AIが引き取れるのは、その連絡を受け止め、品目や数量、納品日や届け先を聞き取り、受注メモや配達リストを下ごしらえするところまでです。

足立区保木間にある合同会社9Zは、僕がひとりで切り盛りしている会社です。豆腐を炊いたことも、朝の配達に走ったこともありません。それでも、目の前の作業から手が離せないうちに次の電話が鳴り、出られないまま時間が過ぎていく感覚は、身近なものとして分かります。以前、事業を伸ばそうと外注の輪を広げたとき、増えていったのは戦力よりも「どの件が誰の手元でどこまで進んだか」を確かめ合う連絡でした。作って売るという商いの中身より、その周りのすり合わせに一日が溶けていき、売上が動いても手元に残る利益は薄いままです。いまは外へ頼む仕事を最小限にとどめ、迷いの生じない受け付けだけを仕組みに預けています。確かめ合いに削られていた時間が戻り、目減りしていた利益がそのまま手元に返ってきました。日持ちのしない豆腐を、作れる数のなかで売り切る商いです。その日のうちに折り返せた一本が、次の注文へとつながっていく。だからこそ、手のふさがった隙にこぼれる連絡をどれだけ拾い戻せるかを、電話番を増やす前に一度たしかめてほしいと思っています。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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