食品卸の受注や問い合わせは、AIに任せられるのか
任せられます。ただし欠品したときに何を代わりに入れるか、原材料やアレルゲンをどう案内するか、いくらで卸すかという判断を人に残したまま、注文の受け止めと書き起こし、締切前の未着確認、変更・追加の記録までに限られます。
AI従業員とは、LINE・メール・フォームから届いた「明日の分、いつもの内容で」「キャベツ2ケース追加」「金曜の納品は休みなのでなしで」といった注文や変更を受け取り、店名・納品日・品目・数量・荷姿・前回との違いを読み取って一覧に起こし、いつも注文が入る取引先からまだ届いていないものを締切前に並べて見せる仕組みを、いま使っている連絡先の裏側に組み込むものです。入荷が足りなかったときに何を代わりに入れるのか、その店に出していい価格はいくらか、原材料や産地の問い合わせにどう答えるのかは仕入れと営業の担当が決めるので、そこは動かさず、決める前の材料を集めて並べる部分だけを渡す形になります。
なぜ食品卸の注文は、締切の直前にまとまって届くのか
注文を出す側の飲食店や施設が、その日の売れ行きを見てからでないと明日の数量を決められないからです。
昼の営業が終わり、夜の入りが読める夕方になって、ようやく「明日は何をどれだけ」が固まります。だから注文は締切の直前に一気に立ち上がる。しかも一軒ごとに使う手段が違います。長い付き合いの店は電話で口頭、昔からのやり方の店はFAX、若い店主はLINE、法人の施設はメールの添付。同じ「明日の分」が四通りの入り口から入ってくるので、受ける側はそれを一枚の表に起こし直す必要があります。ところが締切前後の時間帯、卸の担当は最終便の配送を回しているか、翌朝の市場や産地とのやり取りの段取りに入っていて、机の前にいません。結果、注文の書き起こしは配送から戻った夜に始まり、その最中に「やっぱり2ケース追加で」「明日は臨時休業だから止めて」という変更が上乗せされます。売る物が生鮮や日配で日持ちしないぶん、この一日のずれは翌朝の積み込みに直結します。
酒販店の配達やリネンの受注とは、何が違うのか
酒販店の配達やリネンサプライと並べたとき、食品卸だけにあるのは、毎日締切が来て、しかもその締切がそのまま翌朝の仕入れ数量を決めてしまう二重構造です。
決まった曜日に得意先を回る酒販店の受注・配達をAIで軽くするは、数量が読みやすく在庫も日持ちします。定期のルートを回るリネンサプライの受注対応をAIで軽くするは、契約された枚数からの増減が中心でした。食品卸は、毎日の締切が仕入れの締切と鎖のようにつながっていて、注文をまとめ切れないと翌朝に何をいくつ引くかが決まりません。しかもFAXと電話が現役で残っているので、手書きの数字を読み取って打ち直す作業がそのまま残っています。紙が消えない前提で転記だけを減らす考え方はFAX・紙の書類をAIでデジタル化する方法にまとめました。
AI従業員に任せられる業務の例
- 注文の一次受け: LINEやメール・フォームに届いた注文を時間帯を問わず受け取り、届いた順に並べて、担当が配送に出ている時間の注文も残るようにする
- 注文内容の書き起こし: 店名、納品日、品目、数量、荷姿、前回からの変更点を読み取って一覧の形に整え、担当が確認するだけの状態にする
- 未着の洗い出し: いつも注文が入る取引先のうち、締切が近いのにまだ届いていない先を並べて、こちらから声をかける材料にする
- 変更・追加・休みの記録: 締切後に来た追加やキャンセル、店の臨時休業の連絡を、元の注文と紐づけて記録する
- 問い合わせの仕分け: 納品時間の確認、請求のこと、新規取引の相談を分けて並べ、急ぐものを上に置く
欠品したときの代替品の判断、価格の決定、原材料・産地・アレルゲンに関する回答は必ず人が行います。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。
導入の流れ(2〜14日が目安)
STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの注文の受け方と、締切前後のどこで書き起こしが詰まっているかを一緒に整理します。費用はかかりません。
STEP 2 業務確認・設計: 取引先ごとの定番の注文内容、締切の時刻、荷姿や単位の呼び方の癖を、御社の受け方に合わせて組み込みます。欠品時の代替と価格は人が握る範囲としてはっきり分けます。
STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): いまお使いのLINE・メール・フォームのまま、裏側にAIを組み込みます。電話はこれまで通り人が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが文字に起こして注文の一覧に並べる形にします。
STEP 4 本格稼働: 注文の受け皿としてAIが動き始めます。季節で動く品目や取引先の増減に合わせて、読み取りの項目と並べ方を月1回のペースで直していきます。
よくある質問
電話の注文にもAIが直接出てくれるのですか?
いいえ。AIが自動で受けるのはLINE・メール・フォームです。電話はこれまで通り人が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが文字に起こして注文の一覧に並べます。取引先に文字の窓口を知らせておけば、配送で出ている時間帯の注文を後から拾い直しやすくなります。
FAXで届く注文はどうなりますか?
複合機で受けたFAXをPDFや画像として文字の窓口へ流せる形にしておけば、内容を読み取って一覧に起こすところまでは任せられます。手書きの崩れた数字や独自の略号は読み違いが起きうるので、担当が確認してから確定する運用にします。紙をなくすのではなく、紙から表へ打ち直す手間を減らす、という考え方です。
欠品したときの連絡まで任せられますか?
代わりに何を入れるかを決めるのはAIではありません。「この品目が足りない」という状態を注文と突き合わせて洗い出し、連絡先を並べるところまでが役割です。代替品の提案は、味や規格が変わることを相手が受け入れられるかどうかの話なので、担当が決めて伝えます。
原材料やアレルゲンの質問にAIが答えてしまいませんか?
答えさせません。原材料、産地、アレルゲン、保存方法に関する問い合わせは、食べる人の体に関わり、誤った案内が事故につながります。この種の質問は回答せずに担当へ回す設定にし、メーカーの規格書や表示を確認したうえで人が答える形にします。
締切を過ぎてからの追加やキャンセルは扱えますか?
記録して、元の注文と紐づけて見せるところまでは扱えます。積み込みに間に合うかどうか、在庫を回せるかどうかを判断するのは人です。締切後の変更は口頭で流れやすい部分なので、文字で残しておけると突き合わせがしやすくなります。
取引先ごとに単位や呼び方が違うのですが、対応できますか?
対応できます。同じ品でも「1ケース」「1箱」「1丁」と呼び方が変わったり、店ごとの略称があったりするので、その対応表を設計時に登録します。登録にない言い回しが来たときは推測で確定させず、確認が要るものとして担当に上げます。
料金はどれくらいかかりますか?
取引先の数や注文の受け方によって変わるため、まずは無料診断でご説明します。1業務から小さく始める形をおすすめします。
まとめ
夕方に注文が立ち上がるのは、注文を出す側の都合であって、こちらの都合では動かせません。締切までの短い時間に電話とFAXとLINEから同じ「明日の分」が入り、それを一枚の表に起こし終えないと翌朝の仕入れが決まらない。しかも書き起こしを始められるのは、配送から戻った後です。この順番を人の頑張りで詰めようとすると、夜が延びるだけで終わります。欠品の代替も価格も担当が握ったまま、注文の受け止めと書き起こしだけを文字の窓口に逃がすほうが、翌朝に効いてきます。
僕がやっているのは足立区の合同会社9Zという会社で、従業員は置いていません。市場で競りを見たことも、保冷車から箱を降ろしたこともありません。それでも、決めなければならない時間と、その材料が手元にそろう時間がずれていて、そろった頃には夜になっている、という詰まり方には身に覚えがあります。一度、会社を大きくしようとして業務委託で人を増やしたことがありました。動く人が増えた分だけ、誰に何を伝えたかの確認と書類が積み上がり、利益のほうが先に圧迫されて、事業は想像していたほど伸びませんでした。いまは委託先を1社だけに戻し、判断の要らない受け止めと書き起こしをAIに回しています。売上は当時と変えていませんが、利益率のほうははっきり良くなりました。明日の仕入れが今日の受付で決まる商売なら、まず受付から軽くするのが順番として自然だと思います。
御社の注文の受け方と書き起こしのどこから仕組みに任せられるか、15〜30分の無料診断で洗い出してみませんか。
診断後、AI化しやすいと判断した1業務は、簡易版のAI従業員として無料で作ります。