AI従業員コラム

Column

時計・宝飾店の修理受付をAIで軽くする

2026-07-29 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

時計・宝飾店は、接客で手が離せない時間帯に、電池交換やオーバーホール、宝飾品の修理見積の問い合わせが重なり、外注工房に出した品の納期の確認も積み上がる。AI従業員は、LINEやメール・フォームに届いた修理相談の一次受けと、聞き取りの下ごしらえ、納期の問い合わせの整理、未対応の洗い出しを裏側で進める。修理の可否や査定、金額の判断は人が必ず持つ分担で、人を増やさず受付の詰まりを吸収する。足立区の一人社長・須賀龍平が、店番の合間に受付が押し出される構造と進め方を解説する。

時計・宝飾店の修理受付は、人を増やさずに軽くできる

時計・宝飾店で受付が回らない根本は、対応の丁寧さの問題ではなく「接客で手が離せない時間に、電池交換・オーバーホール・修理見積の問い合わせと、外注工房に出した品の納期確認が重なる」という構造にあります。ここはAIに一次受けと聞き取りの下ごしらえを任せ、人は査定と修理の判断に集中できる形にできます。

AI従業員とは、修理相談の整理・聞き取りの下書き・納期の問い合わせの下ごしらえといった事務の「作業」部分を、今お使いのLINEやメールの裏側で肩代わりする仕組みです。修理ができるかどうか、いくらになるかといった判断は人が持ったまま、判断の要らない受け付けの手間だけを渡すイメージで考えると分かりやすいと思います。

なぜ時計・宝飾店は修理の問い合わせで手を取られるのか

受付が詰まるのは、店番が一人か少人数で、来店客の接客をしている最中に電話や問い合わせが重なるからです。

宝飾品や時計の販売は、一件の接客が長くなりやすい商いです。ケースから商品を出し、じっくり見てもらっている間は、そこから手を離せません。そのあいだに「電池交換はいくらか」「このブランドのオーバーホールはできるか」「預けた指輪はいつ仕上がるか」といった問い合わせが入ってくる。どれも短いようでいて、ブランドや型番、状態を確認しないと答えられないものが多く、片手間には返せません。眼鏡店の来店予約や相談の受け止め方に近い部分もあり、メガネ店の予約・問い合わせ対応をAIで軽くする方法にも共通する構造があります。

さらに時計・宝飾店の修理は、店で完結せず外部の工房へ送るものが多い。すると「今どこまで進んでいるか」「あとどれくらいか」という進捗の問い合わせが、預かった数だけ後から積み上がります。販売の接客と修理の受付・進捗確認が同じ店番に集中すると、一人では手が回らなくなります。

接客で手が塞がる時間に、修理の相談が重なる

店の連絡が取りこぼされやすいのは、接客で手を離せない時間帯と、修理の相談や納期の問い合わせが届く時間帯が、そのまま重なるからです。

丁寧に接客するほど一件に時間がかかり、そのあいだの電話は取れないか、待たせることになる。修理の相談は「まず状態を見てから」という段階が多く、電話口で完結しないため、聞き取りだけでも手間がかかります。預かり品の納期の問い合わせも、工房に確認しないと即答できないことがある。こうした一次受けが接客の合間に割り込むと、閉店後に問い合わせの折り返しと工房への確認が残ります。修理業の受付の詰まり方は、パソコン・スマホ修理店の問い合わせをAIで軽くするでも近い形を書いています。

受付の人を増やす前に、判断の要らない一次受けだけを切り離せないかを考えるのが近道です。ブランドや型番、状態、希望の仕上がり時期といった、担当が見立てる前にそろえたい項目の聞き取りだけを文字の窓口に渡せば、店番は接客の手を止めずに済みます。

AI従業員に任せられる業務の例

修理ができるかどうか、査定、金額の決定、仕上がりの最終確認は必ず人が行います。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの修理相談・問い合わせの流れと、接客で手が離せない時間帯にどこで受付が止まっているかを一緒に整理します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: どの一次受けをAIに渡すか、御社の取り扱いブランドや言い回しを組み込んで設計します。修理の可否や金額の見立てなど、人が判断すべき範囲もはっきり分けます。いまお使いのLINEやメールをそのまま起点にするので、新しい操作を覚える必要はありません。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): 小さく動かして、実際の相談の受け方に合うか確認し、ズレがあれば調整します。電話はこれまで通り人が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが文字に起こして一覧に並べます。

STEP 4 本格稼働: 日常業務の一部としてAIが動き始めます。修理の多い時期や取り扱いの変化に合わせて、聞き取りの項目と案内の文面を月1回のペースで直していきます。

よくある質問

電話にもAIが出られますか?

いいえ。AIが自動で受けるのはLINE・メール・フォームです。電話はこれまで通り人が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが文字に起こして一覧に並べます。お客さんに文字の窓口を案内しておけば、接客で手が離せない時間の相談を、後からまとめて拾い直しやすくなります。

修理の見積もりや金額まで、AIが答えてしまいませんか?

答えさせません。AIが行うのは、ブランドや型番、状態を聞き取って整理し、担当が見立てやすい形にまとめるところまでです。修理ができるかどうか、いくらになるかは、実物や状態を見て人が判断して返します。判断に関わる部分は人が握る設定にします。

預かり品の納期を、AIが勝手に約束しませんか?

しません。納期は工房の状況によって変わるため、AIは「進捗を知りたい」という問い合わせを預かり番号とともに整理するところまでを担います。実際の仕上がり時期の回答は、工房に確認したうえで人が返す形にします。

お客さんの連絡先や品物の情報をAIに扱わせて大丈夫ですか?

扱う情報の範囲は導入の設計時に決めます。相談を用件と紐づけるための最小限にとどめ、預かり品の詳細や連絡先といった情報の扱いは、人が所定の手順で管理する形にできます。情報の扱いの考え方はAIに任せて顧客情報は漏れないのかにまとめています。

うちは一人で店番をしています。それでも使えますか?

むしろ一人で店番と修理受付を兼ねている店ほど、接客中の取りこぼしが起きやすく、一次受けを仕組みに逃がす効果が出やすいと思います。小さく1業務から始める形をおすすめしています。

まとめ

ショーケースから時計を出して、お客さんと一緒にのぞき込んでいる。その最中に電話が鳴り、LINEが届く。手を離せないから出られず、接客を終えて画面を見ると、電池交換の問い合わせと、他ブランドのオーバーホールの相談と、預けた指輪の仕上がりを尋ねる連絡。折り返して工房に進捗を確認して、と続けているうちに閉店時間になる。修理ができるかどうかも金額も、実物を見て人が判断する部分です。ただ、そこへ至る前の「どのブランドの、どんな状態の、いつ仕上げたいか」という聞き取りまで、接客の手を止めて受ける必要があるかというと、そうではないはずです。

足立区で合同会社9Zをやっていますが、代表も担当者も経理も、全部僕ひとりが兼ねています。時計や宝飾品を扱う店に立ったことはありませんし、修理の現場を知っているわけでもありません。それでも、目の前の一件に集中している間に別の相談が積み上がって、後で取りこぼしに気づく、という詰まり方は他人事に思えません。この会社を大きくしようと業務委託で人を増やしていた時期は、関わる人が増えるほど確認と連絡が膨らんで利益を圧迫し、事業は思うようには伸びませんでした。委託を1社に絞ってからは、問い合わせの一次受けをAIに預けています。売上の額は据え置きのままでも、伝達と確認にかかっていた経費が落ちて、利益の手残りが増えました。接客で手が塞がる時間の受け止めを仕組み側に持たせられるかは、修理を受ける店で大きいと思います。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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