AI従業員コラム

Column

保育園の欠席連絡と問い合わせをAIで軽くする

2026-07-22 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

保育園・こども園でAI従業員に任せられるのは、子どもの体調の見立てや登園の可否、けがや急変への対応といった判断を職員に残したまま、欠席・遅刻・お迎え変更の連絡の受け取りと、見学・入園相談の一次受けだけである。欠席の連絡は朝の七時台から九時前に自然と集まるが、その時間の職員はまさに登園してくる子どもを受け入れていて、保護者から様子を聞き、荷物を受け取り、目を離せない。電話に出れば目の前の受け入れが止まり、出なければ連絡が届かず、給食の数や職員配置といったその日の段取りが後ろにずれる。秋の入園申し込みの時期には、そこへ外からの見学希望も重なる。AI従業員は、LINEやフォームに届いた連絡を受け取って園児名・クラス・欠席か遅刻か・お迎えの変更先を整理し、持ち物や延長保育の受付時間のような繰り返しの質問に定型で返し、配慮が要る内容は目立つ形で職員に渡す。体調の急変やけがはこれまで通り電話で人が受ける。足立区で合同会社9Zを一人で営む須賀龍平が、自社のAI活用の経験からこの業種の連絡の構造を解説する。

保育園の欠席連絡や問い合わせは、AIに任せられるのか

任せられます。ただし子どもの体調の見立てや登園の可否、けが・急変への対応といった判断を職員に残したまま、欠席・遅刻の連絡の受け取りと、見学や入園相談の一次受けまでに限られます。

AI従業員とは、LINE・メール・フォームから届いた「今朝は熱があるので休みます」「電車が止まっていて九時過ぎになります」「今日のお迎えは祖母に代わります」といった連絡を受け取り、園児の名前・クラス・欠席か遅刻か・お迎えの変更先・連絡してきた人を聞き取って一覧に整え、持ち物や行事の日程、延長保育の受付時間のような繰り返しの質問には定型の文面で返し、配慮が要りそうな内容は目立つ形で職員に渡す仕組みを、いま使っている連絡先の裏側に組み込むものです。体調をどう見るか、登園させてよいか、園でどう過ごさせるかを決めるのは職員であり、感染症の登園の目安や与薬は園の看護師・嘱託医や医療機関の指示に従います。渡すのは、届いた連絡を受け止めて並べる部分だけです。

なぜ保育園の連絡は、一番手が離せない時間に重なるのか

欠席や遅刻の連絡が集まる朝の一時間ほどが、そのまま職員が登園してくる子どもを受け入れている時間と丸ごと重なるからです。

朝の受け入れは、子どもから目を離せない時間です。保護者から昨夜の様子を聞き、荷物を受け取り、顔色や機嫌を見て、その子を保育室へ迎え入れる。その最中に別の家庭から欠席の電話が鳴ります。受話器を取れば目の前の受け入れが止まり、取らなければ連絡が届かない。しかも欠席や遅刻の連絡は、園が開く時刻から登園の締めまでの短い時間に自然と集まります。その日の給食の数、職員の配置、散歩に出る人数は、誰が来て誰が来ないかが分かって初めて確定するので、連絡を拾うのが遅れるほど、その日の段取り全体が後ろへずれていきます。さらに秋の入園申し込みの時期には、そこへ「見学はできますか」という外からの問い合わせも重なります。園の連絡が詰まるのは職員の手際の問題ではなく、連絡が届く時間と手が離せない時間が同じだという、時間割そのものの重なり方から来ています。

学習塾や習い事の問い合わせとは、何が違うのか

同じ「対応の最中に連絡が入る」形でも、保育園は通っている全世帯から毎日連絡が来る前提で、しかもその内容が当日の運営に直結する点が違います。

体験や入会の相談が主役になる学習塾・スクールの問い合わせ対応をAIで軽くするでは、外から入ってくる新規の問い合わせをどう受け止めるかが中心でした。保育園はそこに、すでに通っている家庭からの毎日の連絡が積み重なります。新規の相談は逃せば機会を失う話ですが、毎日の連絡は逃すと当日の運営と信頼に直結する、という重さの違いがあります。一方で、持ち物や行事の日程のように何度も同じことを聞かれる部分は、園でも塾でも変わりません。その繰り返しをどう減らすかは同じ問い合わせに何度も答える手間をAIで減らすで別に整理しています。毎日の連絡は取りこぼしを防ぐ側、繰り返しの質問は手間を減らす側、と分けると設計しやすくなります。

AI従業員に任せられる業務の例

体調の見立て、登園の可否、けがや急変への対応、そして認可園の入園の可否を決めるのは職員と自治体です。体調の急変やけがの連絡は、これまで通り電話で職員が直接受ける動線を主にしてください。文字の窓口はそこを代わるものではなく、それ以外の連絡を取りこぼしにくくするためのものです。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの連絡の受け方と、朝のどの時間にどれだけ重なっているかを一緒に整理します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: 欠席・遅刻・お迎え変更のどれを文字の窓口で受けるか、どんな内容なら職員へすぐ上げるか、逆に定型で返してよいのはどこまでかを、園のやり方に合わせて線引きします。体調や登園の可否に関わる判断は職員が握る範囲としてはっきり分けます。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): いまお使いのLINE・フォームのまま、裏側にAIを組み込みます。電話はこれまで通り職員が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが文字に整えて並べる形にして、受け入れの最中に出られなかった連絡を後から拾い直せるようにします。

STEP 4 本格稼働: 朝の連絡の受け皿としてAIが動き始めます。行事や進級で聞かれることが変わるので、聞き取りや返信の文面を月1回のペースで直していきます。

よくある質問

電話にもAIが直接出てくれるのですか?

いいえ。AIが自動で受けるのはLINE・メール・フォームです。電話はこれまで通り職員が取るか留守番電話で受け、そこに残った伝言をAIが整理します。受け入れの最中で出られなかった電話を、文字の窓口で受け止め直す形です。とくに体調の急変やけがの連絡は電話で直接受ける動線を残してください。

子どもの体調について、AIが判断してしまいませんか?

判断しません。AIが行うのは「誰が・何日・欠席か遅刻か・どんな様子と伝えられたか」を聞き取って整理し、職員に渡すところまでです。登園させてよいかどうか、感染症の登園の目安や与薬をどう扱うかは、園の職員や看護師、嘱託医、医療機関の指示に従って人が決めます。

子どもの健康や家庭の情報は、どう扱われますか?

AIに渡す範囲は、連絡を受け止めて整理するのに必要なところまでに絞って設計します。欠席や体調に関する連絡は個人情報保護法でいう要配慮個人情報にあたるため、扱う範囲・保存する期間・見られる職員の範囲を、園の方針に沿って導入時に決めます。情報の扱いに関する考え方はAIに任せて顧客情報は漏れないのかにまとめています。

見学や入園の相談も受けられますか?

一次受けまでは任せられます。子どもの年齢や希望する時期、見学希望日を聞き取って整理するところまでで、見学の日を決めるのも、認可園の入園の可否を決めるのも園と自治体です。

保護者に新しいアプリを覚えてもらう必要はありますか?

ありません。いま園が使っているLINEやフォームの裏側に組み込むので、保護者から見える連絡先は変わりません。職員側も新しい画面を覚えるのではなく、届いた連絡が整理されて並ぶ形になります。

料金はどれくらいかかりますか?

園の規模や連絡の受け方によって変わるため、まずは無料診断でご説明します。1業務から小さく始める形をおすすめします。

まとめ

保育園で連絡が詰まるのは、職員が忙しそうにしているからでも、保護者が急に連絡してくるからでもありません。連絡が集まる時間と、子どもから目を離せない時間が、毎朝そのまま重なっているからです。ここを崩さずに変えるなら、体調の見立てと登園の可否は職員に残したまま、連絡を受け止めて並べる部分だけを文字の窓口に逃がす形が現実的です。

合同会社9Zという会社を、僕は足立区で社員を持たずに続けています。子どもを抱きとめながら保護者の話を聞いたことも、朝の受け入れの列をさばいたこともありません。それでも、一番手を離せない時間に限って外から連絡が重なり、後で見返すと対応の順番が崩れていた、という時間の食い違いには覚えがあります。会社を大きくしようと業務委託で人を増やしていた頃は、関わる人が増えるほど確認と連絡が膨らみ、書類も一緒に積み上がって、思ったほど事業は伸びませんでした。いまは委託を1社に絞り、判断の要らない受け止めだけをAIに寄せて、売上を変えないまま利益率を改善できています。人が向き合うべき相手が目の前にいる仕事ほど、その手前の受け止めは仕組みに持たせておいたほうがいい——そう考えています。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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