AI従業員コラム

Column

社員が高齢でもAIは使えるのか

2026-07-31 ・ 合同会社9Z 須賀龍平

この記事の要点

「うちのスタッフは年配ばかりだからAIなんて無理」という不安の多くは、社員がAIを覚えて操作しなければならない、という思い込みから来ている。AI従業員は、覚えて動くのはAIの側で、現場は今まで通り電話やいつものやり方を続けられるよう組める。新しいツールを配って操作を覚えさせると、年配の社員が負担に感じて離れかねないが、裏側でAIが受け止める形なら現場のやり方は変えなくてよい。実務や操作が苦手で、だからこそ覚える主体をAIに移して自社を回してきた一人社長・須賀龍平が、年齢とAIの関係を解説する。

社員が高齢でも、AIは使えるのか

結論から言うと、使えます。理由は単純で、AI従業員は「社員がAIを覚えて操作する」道具ではなく、「覚えて動くのはAIの側で、現場は今まで通り」に組めるからです。だから、スタッフが年配であることは導入できない理由になりません。

多くの会社で「うちの社員は年配だからAIなんて無理」と感じられるのは、新しいアプリを配って操作を覚えてもらう、という従来のIT導入の絵が浮かぶからだと思います。けれどAI従業員は、いつもお使いのLINEやメールを起点に、届いた連絡の一次受けや書類の下ごしらえを裏側で肩代わりする仕組みです。覚える主体が人ではなくAIの側にある、という点が、これまでのツール導入といちばん違うところです。

なぜ「社員が高齢」が導入の壁だと感じるのか

年齢が壁に見えるのは、「AIを使う=社員が新しい操作を習得する」という前提で考えているからです。

現場の主力が50代・60代という会社は、建設や製造、運送、店舗など、たくさんあります。中小企業のIT導入でよく語られるのが、「前にタブレットの日報アプリを入れたが、入力が負担で使われなくなった」「新しいシステムを配ったら、ベテランが嫌がって現場が回らなくなった」といった話です。長年つちかった仕事の腕は確かでも、スマホでの文字入力や新しい画面の操作は別のスキルで、そこを求めると本来の力が発揮できなくなる。最悪の場合、「新しいやり方についていけない」と感じたベテランが辞めてしまい、かえって人手が減る。この経験があるから、「AI=また覚えさせるもの」と身構えてしまうわけです。

ここで見落とされがちなのは、AIに求められているのは、社員がAIを操作することではなく、AIが人の代わりに作業を受け持つこと、という点です。目的が逆なら、必要な設計も逆になります。

「人が覚える」から「AIが受け持つ」へ

大事なのは、社員に新しい操作を覚えさせるのではなく、現場のやり方を変えずに、裏側でAIが受け止める形にすることです。

たとえば、問い合わせはこれまで通り電話で受け、留守番電話に残った伝言をAIが文字に起こして一覧に並べる。現場のスタッフは、今まで通り電話に出て、今まで通り仕事をするだけでいい。お客さんとのやり取りがLINEなら、その画面はいつもと同じで、返信の下書きを裏でAIが用意しておく。社員がAIの設定を触ったり、新しいアプリの使い方を覚えたりする場面は、基本的にありません。覚えて慣れる負担を人からAIへ移すのが、この仕組みの要点です。

もちろん、書類の下ごしらえや連絡の整理をAIに任せても、金額や合否の判断、お客さんへの最終的な対応は人が持ちます。ここは年齢に関係なく、経験のある人が担うべき部分です。ITが苦手という不安そのものはITが苦手な経営者でもAIは使えるのかにもまとめていますが、社員の高齢化についても同じで、「覚えない・操作しない」を前提に組めるかどうかがすべてです。

年配のスタッフに、負担をかけずに導入するには

この分担にしておくと、ベテランは慣れた仕事に集中でき、覚え直しの負担で辞めてしまうリスクも避けやすい。属人化して特定の人に業務が張り付く問題も、下ごしらえをAIが受け持つことでほぐしやすくなります。この点は業務が特定の人に張り付く属人化をAIで解きほぐす方法でも扱っています。仕組みの全体像はAI従業員のサービス紹介で確認できます。

導入の流れ(2〜14日が目安)

STEP 1 無料診断+1業務の無料AI従業員化: LINEでご連絡いただければ、いまの業務の流れと、どの作業ならスタッフの手順を変えずに任せられるかを一緒に整理します。費用はかかりません。

STEP 2 業務確認・設計: 任せる一業務と、御社の言い回しを組み込みます。現場のやり方を変えずに、裏側でAIが受け止める形に設計します。

STEP 3 構築・試験運用(2〜14日目安): 小さく動かして、実際の受け方に合うか確認します。社員が新しい操作を覚える必要はありません。

STEP 4 本格稼働: 日常業務の一部としてAIが動き始めます。日々の手直しは提供側が引き受け、月に一度くらい、対象業務や文面が実態に合っているかを一緒に見直します。

よくある質問

うちのスタッフはスマホの入力も苦手ですが、それでも使えますか?

使えます。スタッフにスマホで何かを入力してもらう前提にはしません。電話はこれまで通り人が受け、残った伝言をAIが文字に起こす、といった形にできるので、現場の手順は変わりません。

新しいアプリの使い方を、社員に覚えさせる必要はありますか?

基本的にありません。いつものLINEやメールをそのまま入り口にして、裏側でAIが動くように組むからです。社員が新しい画面を開いて操作を習得する、という場面をつくらないのが前提です。

前にツールを入れて、ベテランが嫌がって定着しませんでした。

その原因の多くは、現場に新しい操作を求めたことにあります。今回は逆で、現場のやり方は変えず、覚えて動くのはAIの側にします。人の手順を増やさないので、慣れた仕事に集中してもらえます。定着しない不安についてはAIを導入しても使わなくなるのはなぜかにも考え方をまとめています。

若い社員がいないと、運用できませんか?

いりません。日々の運用で社内の誰かが設定を触る場面は基本的になく、手直しは提供側が引き受ける形にできます。社内にITに強い人がいなくても続けられるように組みます。

社員の仕事がAIに奪われる、と受け取られませんか?

奪う設計にはしません。AIが受け持つのは連絡の下ごしらえや整理で、判断や対人はこれまで通り人が担います。むしろ、覚え直しや単純な受付の負担が減るぶん、経験のある人が本来の仕事に集中しやすくなります。この点はAIに仕事を奪われると社員が不安がるときでも詳しく書いています。

まとめ

「社員が年配だからAIは無理」という不安は、よく分かります。ただ、その多くは「AIを使う=社員が新しい操作を覚える」という思い込みから来ています。覚えて動くのをAIの側に置き、現場のやり方は変えない——そう設計すれば、スタッフの年齢は導入の壁になりません。むしろ、覚え直しの負担でベテランが離れるリスクを避けながら、下ごしらえや受付を軽くできます。

僕は合同会社9Zを一人で経営していますが、正直に言うと、自分自身が細かい実務や操作がとても苦手です。だからこそ、「自分が覚えて頑張る」のではなく、「覚える側をAIに移す」という発想でしか会社を回せませんでした。以前、会社を大きくしようと業務委託で人を増やしたときは、新しいやり方を覚えてもらうこと自体に手間がかかり、伝えて確認する往復が増えて利益を圧迫し、事業も思うようには伸びませんでした。今は委託を1社に絞り、僕自身も含めて「人が新しく覚えなくていい」ことを前提に、下ごしらえをAIに預けています。売上は変えていませんが、覚えて慣れるための時間と手間が減って、利益の残りに余裕が出ました。人に覚えさせるのではなく、仕組みの側に覚えさせる。そう考えられるかどうかが、年齢に関係なくAIを使えるかどうかの分かれ目だと思っています。

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須賀龍平(合同会社9Z 代表)
この記事を書いた人 須賀 龍平 — 合同会社9Z 代表

1996年生まれ。一人で会社を経営。業務委託で組織を広げた結果、利益とゆとりを失った経験から、「人がやらなくていい仕事はAIに任せる」やり方に切り替え、自社で実践したうえで「AI従業員」を事業化。在宅ナレーター育成スクールほか複数の事業を一人で運営している。

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